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七尾軍艦所と大村益次郎のちょっとした接点

(今回は御祓地区の歴史の話ではない。御祓地区に限定すると、ほんとネタ切れ早く新たなネタを探すのに大変なので、今後は無理せず、七尾市に関する歴史を取り上げていくことにする)

 大村益次郎(1824-1869)といえば、明治陸軍の礎を築いた功労者として有名ですね。九段坂の靖国神社には銅像もある。1977年のNHK大河ドラマ『花神』の主人公としても描かれたから50代以上の方は覚えている方も多いはず。

 そんな大村益次郎と、七尾軍艦所(正式名称は「加賀藩 所口軍艦所」)の間には、ほんのちょっとだけ関わりをもった時があったという。

 まずは七尾軍艦所の設立までの歴史を少し述べる。日本の沿岸や近海に西洋の艦船が度々姿を現すようになり、海防論が高まると、嘉永6年(1853)、加賀藩主前田斉泰は、海岸沿ルートの能登巡見を行った。そのすぐ後,同年6月ペリーが浦賀に来航すると、日本存亡の危機は益々現実味を帯び、加賀藩も海軍力を増強する必要にせまられた。

 同年(1853)加賀藩に西洋流火術方役所が開設されると、武器は刀剣や馬から、大砲や鉄砲中心の戦力に変えられ、訓練も射撃中心に変わっていった。

 翌,安政元年には施設は拡大されて壮猶館(そうゆうかん)と改名され、文久2年(1862)にはさらなる拡大となり、同年3月には海軍部門だけ独立して西町軍艦所(現金沢市内)と七尾軍艦所(所口軍艦所)が作られることになった。

 西町軍艦所は航海学を教える学科勉強中心の施設で、航海術、操船、汽船機関の仕組み、測量、算術などを学び、七尾軍艦所では実技(修理なども含め)を中心に教えた。

 南郷茂光(1838-1909)という加賀藩士から明治政府の官僚、さらには貴族議員まで出世した人物がいる。幕末の頃は江戸で村田蔵六(後の大村益次郎)に兵学を学んだり、高島秋帆に砲術を学んだりして、村田蔵六からは(これからはオランダ語でなく英語の時代だと進められ(村田蔵六自身もこの頃すでに蘭学だけでなく、英語もヘボンから学んだりしていた)、細川潤次郎に英語を学んだりしていた。

 加賀藩は、外様トップの百万石大名の威信にかけて、文久年間から海軍力の増強に努め、まず文久3年(1863)に最初の艦船・発機丸が英国から(6万5千両で)購入されたが、どういう訳か、慶応元年(1865)には新たに李白里丸という艦船(英国製)を購入するため、発機丸は8万ドルで下取りされた。

 つまり加賀藩の2番目の艦船が李白里丸だ。慶応2年にはこの李白里丸が機関故障を起こして七尾港を出港することが出来なくなった。色々手段を講じたが直らず、江戸で武器など西洋の技術を学んでる南郷が呼び戻される事になった。南郷は帰国に当たって、色々教えを受けた村田蔵六に帰国の事情を話して相談したところ、英船舶機関に関する英書を貸してくれ、彼はそれを持ち帰って修理にあたる事になった。

 彼は帰国すると、すぐに李白里丸の機関室に乗り組み、その英書片手に訳読しながら故障原因を調べるがよく分からない。

 たまたま真空計を注視しつつ、機関を始動させてその指針の触れ方を見ていたら、変な同様を示したので、そこで真空計の用途役割を詳しく調べてみたら、故障の原因が分かり、その異常を直したら、順調に動くようになったそうです。

ちょっと些細な話を、強引に村田蔵六(大村益次郎)との関係をつけたような話になってしまったかな。

 最後に、この話の中には、七尾軍艦所と言うと必ずのように登場する加賀藩お雇い外国人教師パーシヴァル・ローウェルが出てきませんが、この騒動の当時にはまだ外国人お雇い教師は誰もおらず、ために英語の知識があった南郷茂光が呼び戻されることになったようです。

(主な参考図書)

『七尾軍艦所・七尾語学所のれきし ー七尾港の夜明けごろー 』(七尾市)

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