ついに七尾港(南湾)が開港!
- 歴史・文化・景観
- 2022年2月17日
昔は、鉄道や道路が充実していないため、船による物流が主流でした。
明治32年(1899)7月、七尾港(南湾)を含む全国22の港(北陸三県では伏木、敦賀を含む)が開港場となりました。開港にあたり、当時の七尾町の町長や石川県知事などによる軍港及び商港の要望活動を展開したことが功を奏したようです。七尾港のアピールポイントは、日本海側の他港と比べ港底が深く、風の影響を受けにくいことでした。
開港により、商店、運送業、問屋業などが相次いで設立され、貿易による産業振興が期待されました。
しかし、満2年ごとの輸出入貨物の価格が5万円に達しない場合は閉鎖する条件が付けられたため、ウラジオ(ロシア)の定期航海船を七尾港に寄港させるように政府へ要望。
一時期は、ウラジオや樺太(ロシア)、小樽(北海道)、門司(福岡県北九州市)、釜山(韓国)に至るまでの航路が運航され、その後は、日露戦争によって貿易はストップしました。
七尾港の資料を調べると、開港と貿易振興は、大勢の関係者の尽力によるものであることが分かります。先人の努力に感謝します。
出典 七尾市史資料編第6巻、新修七尾市史 通史編Ⅲ、図説七尾の歴史と文化