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御祓地区ゆかりの文化人 ~茶谷霞畝 -1/2~

俳人・画家 茶谷霞畝(ちゃたに かほう)(1882-1970)

 茶谷霞畝、本名は木谷善蔵。霞畝は画人としての号で、他に竜杖という俳人としての号も持ちます。彼は、明治15年鹿島町久江に生まれ、明治30年(七尾市)松本町の素封家・茶谷てる家に婿養子として入り、妻に死別後、東京で日本画家・(※1)荒木十畝に入門。師の一字を許され、霞畝(かほう)と号したそうです。
 霞畝は放浪するかのように住居をあちこち転居させたが、晩年七尾に戻ってきて、鳥居醤油店の家の奥の建物の場所が霞畝の寓居であったという。
 鳥居家の先代が、七尾のパトロンのような立場にあったことも関係しているようです。

茶谷霞畝の横顔写真

 小丸山公園第1公園の光徳寺裏から続く長い坂を登りきった右側に自然石に刻みつけられた句碑があります。

 草書体なので読みにくいですが、
有る様でなく 無いようである 水の月
花本十三世 竜杖

と刻字してあります。これは木谷善蔵こと竜杖の句碑です。

俳句は、「花ノ本」派宗匠で京都の俳人・(※2)上田聴秋宗家(花本十一世)に入門し学びました。
昭和5年に最高位の柿本宗匠の免許を得て、昭和17年に花本十三世を継承しました。
 こちら俳句の方では、竜杖と号しました。
 昭和18年に勅願俳句の選者に推薦された。
 昭和32年、七尾市文化賞受賞。

 石川県の俳句は、加賀においては芭蕉が訪れたこともあり全国的に隆盛した蕉風の俳句が親しまれたのに対して、七尾においては江戸期以来明治末期にいたるまで、貞門派(松永貞徳が創始)や談林派(西山宗因が創始)などの(※3)宗匠俳諧の栄えた土地柄でありました。
 これに対して明治末頃から七尾の俳人・三野免歌子の新傾向俳句の活動が始まり、大正末期には(※4)新傾向俳句に走る者もありましたが、大勢は龍杖などの旧派宗匠俳句が盛んで、花ノ本派は大いに活動しました。

 小丸山城址公園の句碑は、七尾俳壇の重鎮・吉村春潮、勝本柏宇の両氏の奔走で、竜杖の足跡を記念し「句碑建設会」を作り、(七尾市の灘浦方面に流れ下る)熊野川上流から自然石を経て、昭和32年8月建碑されたものです。

 多芸な人物で日本画・俳句の他にも色々物した。書道は日本三名筆の玉木愛石に師事、尺八は都山流を学び、華道は遠州流の奥義を極めて夢想流の一派を樹立しました。
 書画・俳諧をもって全国を行脚し、昭和45年に91歳の天寿を全うしました。

【註 記】
(※1)荒木 十畝(あらき‐じっぽ) (1872~1944)
日本画家。長崎の生まれ。荒木寛畝(かんぽ)に学び、のち養子となる。文展・帝展で活躍した旧派系の代表的画家。代表作「寂光」。
(※2)上田 聴秋(うえだ ちょうしゅう)(1852~1932)
岐阜県・大垣生れの俳人で京都に居した。八木芹舎門の旧派の大御所俳人で、点取俳諧の宗匠として関西で活躍した。著書に『俳諧鴨東集』があり、『明治俳諧金玉集』の跋も記している。本名は肇、号は不識庵、花の本11世。
(※3)宗匠俳句 
義太夫節や清元と同じく有名な宗匠から学んで月謝を払うお金持ちの道楽でした。
(※4) 新傾向俳句 
正岡子規の没後、大須賀乙字(おおすがおつじ)の論文「新俳句界の新傾向」に端を発し、河東碧梧桐(かわひがしへきごとう)らが明治40年代に流行させた俳句。定型を破り、季題趣味から脱して、生活的、心理描写的なものを追求。のち、自由律俳句へと展開。(『大辞林』より引用)
【参 考】
●一本杉通りかわら版「茶谷霞畝の資料多数入手」(H22.4.21の記事)(一本杉通り公式サイト)
●『石川県鹿島町史 資料編(続)下巻』P1153~1154
●『七尾歴史散歩百選 新七尾風土記』P99~P100
●『図説 七尾の歴史と文化』P148
など

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