HACCP(食品衛生管理システム)に学ぶ、家庭での食中毒予防
「つけない、増やさない、やっつける」の3原則
食中毒予防はご存知の通り「つけない、増やさない、やっつける」の3原則です。食品衛生法等の一部改正(平成30年6月13日に公布 )でHACCP(食品衛生管理システム)に注目が集まっています。HACCPの視点から今一度、家庭できる食中毒予防を見直してみませんか。
HACCPとは?
1960年代にNASA(アメリカ航空宇宙局)が宇宙飛行中の食事の安全性を確保するために考案した食品衛生管理システムで、「Hazard Analysis and Critical Control Point」の頭文字をとってHACCPと表記し、エイチエーシーシーピー、ハサップ等と呼ばれています。
調理の過程で、食中毒の予防するポイント決めます。具体的には、ポイントごとの基準(温度、加熱時間等)を定めます。食品工場や飲食店では、モニタリングしますが、家庭ではおおよその目安を確認することが大切です。また、基準からはずれたときは、どうすればよいか事前に決めた対応を行ないます。
このように安全が客観的に行なわれる衛生管理から家庭での食中毒予防にも取り入れる点があるかもしれません。
①食品の購入
・肉、魚、野菜などの生鮮食品は新鮮なものを購入しましょう。また、表示のある食品は消費期限などを確認してから購入しましょう。
・生鮮食品など、低温保存が必要な食品の購入は、買い物の最後にし、購入したら寄り道せずまっすぐ持ち帰るようにしましょう。
②家庭での保存
・食材を冷蔵庫で保存(冷蔵や冷凍が必要な食品は、持ち帰ったらすぐに冷蔵庫、冷凍庫に入れましょう。)
・冷蔵庫や冷凍庫の詰めすぎに注意!(冷蔵庫は10℃以下、冷凍庫は-15℃以下)
・肉や魚などはビニール袋などに入れ、肉汁などが他の食品にかからないようにしましょう。
・肉や魚などを取り扱うときは、その前と後に必ず手を洗いましょう。
・食品を流し台の下に保存する場合は、水漏れなどに注意!また、直接床に置いたりしてはいけません。
③下準備
・台所を見渡してみましょう。
・ゴミは捨ててありますか?フキンなどは清潔ですか?
・調理台の上は片付いていますか?もう一度チェックしてみてください。
※次の場合には手を洗いましょう。
・生の肉、魚、卵を取り扱った後
・トイレの後動物にさわった後
・オムツを交換した後
・鼻をかんだ後 など
・生の肉や魚を切った後はすぐに包丁、まな板などを洗いましょう。熱湯をかけることが有効です。
・野菜もよく洗いましょう。
・井戸水を使用している家庭では、水質に十分注意してください。
・冷凍してあった食品を解凍する際には、電子レンジなどを利用し、室温で放置するのはやめましょう。
また、冷凍と解凍を繰り返すのは危険です。解凍するときは必要な分だけにしましょう。
④調理
・十分な加熱。加熱して調理する食品は十分に加熱しましょう。
・料理を途中でやめて、そのまま室温で放置してはいけません。
途中でやめるようなときは冷蔵庫に入れ、再び調理するときに十分加熱しましょう。
⑤食事
・清潔な食卓
・食卓につく前に手を洗いましょう。
・清潔な手で、清潔な器具を使い、清潔な食器に盛り付けましょう。
・調理前の食品や調理後の食品は、室温に長く放置してはいけません。
⑥残った食品
・残った食品はきれいな器具、皿を使って保存しましょう。なお、残った食品を扱う前にも手を洗いましょう。
・残った食品は早く冷えるように浅い容器に小分けして保存しましょう。
・残った食品を温め直すときも十分に加熱しましょう。味噌汁やスープなどは沸騰するまで加熱しましょう。
・ちょっとでも怪しいと思ったら、思い切って捨てましょう。
参照HP 東京都福祉保健局 食品衛生の窓http://www.fukushihoken.metro.tokyo.jp/shokuhin/haccp/haccp-1.html