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御祓地区周辺の民話・伝説 『西光寺どんと長齢寺どん』

 昔々、七尾の小島の 西光寺 と長齢寺にそれぞれ古狐が棲んでおりました。それぞれお互い西光寺どん、長齢寺どんと言うて行き来しておりました。仲がよく、化けるのが上手いもんやから、よく連れ立って人間を騙しては楽しんでおりました。
 ある時、長齢寺どんが、
 「なあ西光寺どん、近頃不景気なんか、なあんも旨いもんにありつかんなあ。」
 「おまいもかい。わしもや。」
 「ほんならいい事思いついたやが。」
 「なんじゃい、教えんかい。」
長齢寺どんは、西光寺どんの耳元に何やら、もしゃもしゃと囁くと、それを聞いた西光寺どんは
 「長齢寺どん、知恵者やのー」
と長齢寺どんを振り返り、感心するのであった。
そして西光寺どんは、
 「言われた通りにするわいね」
と言うと、いきなりドロロンと、馬に化けました。一方長齢寺どんは、これまたドロロンと馬喰(ばくろ:馬の売り買いをする人)に化けて、西光寺どんの馬を引っ張って、馬市に出かけました。
 「さあ、この馬よいぞー。足腰はしっかりしとるし、歯並びもいい。おまけに毛並みも最高やぞ。そこのあんたこれ買わんかいね」
馬喰に化けた長齢寺どんが、そういうと、西光寺どんが、歯を剥いて見せたり、鼻ずらを振って愛想してみせました。しばらくして高階村の馬方と話がまとまり、西光寺どんの馬は、その馬方に引っ張られていきました。長齢寺どんは、ふところに金をたんまり入れると、その金で油揚げを沢山買って来て、西光寺どんを、西光寺山(現在の小丸山公園の第2公園)で待ちました。打ち合わせでは、馬方に買われた後、隙を見計らって逃げて戻って来て、油揚げを山分けして食おうとなっていました。
 しかし西光寺どんは、待てど暮らせどいつまで経っても帰ってきませんでした。
 長齢寺どんは、もう夕暮れて腹が減る一方なので、油揚げを仕方なく一枚ペロリと食べてしまいました。そうすると、近頃、碌な食べ物にありつけていなかったので、美味しくて仕方ありません。もう一枚くらいいいだろう・・・、まだ一枚くらい・・・・と食べていくうちに、山ほどあった油揚げをすっかり平らげてしまいました。
 一方、西光寺どんは、引っ張られていく道中、隙を見つけて何とか逃げだそうとしましたが、馬方はまだ自分に馴れぬ馬ということもあり、鼻緒をずっと掴んだままとうとう屋敷まで離さしませんでした。それで逃げ出す事ができず、馬屋に入れられてから夜遅くなって、やっと逃げ出しました。そして暗い遠い夜道を、疲れた足をひきずりとぼとぼと歩き、やっとのことで、朝方帰ってきました。
 待ち合わせの西光寺山の塒に帰ってきてみると、油揚げは一枚も残っておりません。長齢寺どんが、膨れた腹をかかえて気持ち良さそうに眠っていました西光寺どんは、長齢寺どんを起こすと、腹が減ってグウグウ鳴るので、油揚げがどこにあるか聞きました。
 「ありゃ、無事で何よりやったなあ。わしゃおまいの帰りがあまりにも遅いんでてっきり化けの皮剥がされて、殺されてしもうたんやと思ったわ。油揚げそのまま残すのも、勿体ないから腹の中に処分させてもらったわい。」
 西光寺どんは、一番苦労したのに、何も収穫があなく、長齢寺どんに騙されたような格好になったので、西光寺どんは怒って、長齢寺どんに絶交を言い渡し、それからは道で会うても口もきかんようになったがやと。おしまい。

「穂にいですつっぱらめー七尾・鹿島の昔話」(坪井純子著)から当話の箇所を抜粋 

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